日田市産業観光受入施設に登録している株式会社髙瀬文夫商店と、木の蔵 仙遊、相澤漆芸工房、有限会社白石薄板工房、マルゲン株式会社、ダイアックス株式会社が共同で取組んだストロー、コップづくり「itaTTe tsutsu straw cup プロジェクト」が、日本ウッドデザイン協会のウッドデザイン賞ソーシャルデザイン部門に入賞しました。
同社は、昭和36年(1961)創業で日田杉を材料に蒲鉾板の製造を始め、「安全・安心な蒲鉾板」づくりを心掛け、現在多くの蒲鉾メーカーに採用されています。
今回受賞した“木のストロー・木のコップ”は元々、取引が減少傾向の蒲鉾板への危機感から、何か新しい商品を考案したいという髙瀬加津男社長の思いが発端です。
薄板加工・曲げ加工・コーティング・漆塗装などの優れた木材加工技術を持つ事業所がタッグを組んで、伝統技法と最新技術を駆使し完成したものです。
髙瀬社長にお話を聞きました。
Q1 受賞の感想は?
「この賞は、私一人で取れる賞ではありません。日田には杉があり、古くから薄板工場があり、木材加工の技術があり、漆塗りの技法もありました。関係者の協力で商品化に至り、今回受賞できたことは大きな喜びです。」
Q2 きっかけは?
○木製ストローを作ろうと思ったきっかけ
世界的に海洋プラスチックごみが環境問題になり、大手コーヒーショップがプラスチックストローを全廃するというニュースを聞きました。その時に木でストローができないかとひらめいたと同時に、松の薄板を斜めに巻けばストローができると確信しました。早速、関係者にアイデアを伝えたら「えっ!?」という反応・・・。しかし翌朝すぐに試作品が出来上がって来たのです。
○ウッドデザイン賞に応募したきっかけ
これまで市内の木材加工関係者とのつながりは薄かったのですが、仲間とともに作り上げたストロー、コップは大事にしたい思いから、ウッドデザイン賞のソーシャルデザイン部門に応募致しました。
Q3 苦労話をどうぞ
「木のストローは、厚さ0.15ミリの杉を巻いただけでは、飲み物が滲みてくるので、コーティング処理を施しました。木のコップは、底からの漏れ対策が大変で改良に2年かかりました。また、熱い飲み物では“コップを持てない”との指摘から、中空仕上げのコップも製造しました。」
Q4 これからの取り組みは?
「薄板の使い方によっては、まだまだいろんな商品になると思っています。
これからも新商品を出して行きます。」