産業観光受入施設のうち自社ショールームを設けている株式会社朝日木工のショールームを紹介します。
株式会社朝日木工のショールーム
朝日木工の始まりは、戦後直ぐ昭和21年に個人創業し、昭和36年に朝日木工株式会社を創立、今年で75年を迎える日田地域では老舗の家具メーカーです。
ショールームへは、社屋1階の事務室で受付し2階へ進むと、ソファー、テーブル、ダイニングセット、こたつなど約80点が整然と展示されています。
案内は、小埜和治常務が対応してくれました。
「今はショールームになっていますが3年前までは物置でした。当社の製品はこれまで福岡、関東、東海などが主な納入先でBtoBの一辺倒でしたので、“地元の人に地元の工場で作った家具を使っていただきたい”というBtoCを実現するため、ショールームを開設しました。見学は、平日はもちろん土曜、日曜でも可能ですので、事前に電話予約をお願いします。家具に触れて腰かけて横になって、カタログでは感じられないサイズ感や触感をお楽しみください。」
小埜常務におすすめの逸品を尋ねました
紹介してくれたのは、“日田杉を使ったダイニングセットThuis(トイス)”。杉を象徴する木目が浮き出た円卓に、2人掛け・1人掛けの椅子が円卓を取り囲みます。円卓に集う家族の様子がすぐ浮かんでくる一家団欒の逸品です。
「私は木目を見ると安心します。」と感想を述べると、「これまで、杉材は柔らかいため家具には適さない素材でしたが、当社では一昨年、日田杉をボディの表板に使ったバイオリンを完成させました。この円卓は、このような当社の乾燥技術を駆使し強度を高め仕上げたものです。しかし、製品化には手間と時間がかかります。なぜなら木は生きていますからね。
お問い合せ先 株式会社朝日木工
電話 0973-22-7522
小埜常務にお話を伺う中で、バイオリンの話になりました。「楽器の専門家が“このバイオリンの価値は100年後にわかります”と言ってました。家具も代々にわたって使っていただければ家具メーカーとしては幸いです。」
前回と今回合わせて2社のショールームを訪問しお二人からお話を聞く中で、ショールームは工場とモノと人をつなぐ場所であり、モノづくりに携わる方々の想いを「伝えたい」場所であることを改めて強く感じました。